2021年10月26日火曜日

社会に働きかける人

 

社会に働きかける人



こんにちは。

医療ソーシャルワーカーの横井です。




私たち医療ソーシャルワーカーは、

病気や怪我によって社会復帰が困難になった方が、

再び社会生活を送れるよう支援するスタッフです。




メディカルソーシャルワーカーとも呼ばれ、

MSWなどと略すこともあります。




ちなみに、

ソーシャルワーカーという言葉だけを抜き取れば、

「社会に働きかける人」などと訳せます。




新人の頃参加した研修で、

「ソーシャルワーカーの多くが社会のことに対して無知だ」

と叱咤されたこともありました。




当時は目の前の患者さまの支援に精一杯でしたから、

社会がどうとか世界がどうとかそこまで

頭が回らずよく理解ができていませんでした。




今は少しだけ視野も広がり、

社会のことから世界のことまでようやく

学ぶ姿勢がついてきたところです。




ところで、

いま日本が抱える問題の一つに

少子高齢化問題というものがあります。




介護を必要とする世代が増え、

働いて税金を納める世代が減るわけですから、

国としては危機感を覚えずにはいられないわけです。




何とか子どもを増やしたいと思うわけです。

しかし、子育てや経済の問題からそう簡単には

解決できる問題ではありません。




ただ、世界を広くみわたせば、

また違う角度からも問題がみえてきます。




戦後、世界の人口は急激に膨れ上がりました。

1950年には約25億人だった世界人口は、

2011年には約70億人になりました。




さらに2050年には約97億人になるといわれています。

世界的にみれば人口は増加しているわけです。




また、人口密度についても面白いデータがあります。

1k㎡あたりの可住面積(住むことのできる面積)で

人口密度を割り出すと……




ドイツ346人

イギリス289人

イタリア297人

フランス161人

アメリカ52人

カナダ5人

オーストラリア3人




わが国日本はなんと、

1109人です。

参考書籍「今、心配されている環境問題は、実は心配いらないという本」




ヨーロッパの約4倍も多い結果となります。

ゴミを出せば他国より4倍可住面積を汚染するということです。




さらには食料自給率も37%(カロリーベース)と、

主要国では日本だけが50%を切っています。

※農林水産省HP




年金医療介護問題だけをみれば人口が足りず、

環境や食糧問題をみれば人口が多すぎるわけです。




刀圭会は医療・介護の提供をはじめ、

子ども食堂など地域の暮らしを支える取り組みにも力を入れています。




社会が整ってこその医療介護ですし、

医療介護が支えなければいけない社会でもあります。




私たちは偏ることなく

社会問題を見据えていかなければなりません。




「社会に働きかける人」という言葉がもつ意味を理解し、

医療ソーシャルワーカーとしての役割を担っていきたいと思います。




協立病院 地域医療連携課 横井